家庭で出来るアロマによるセルフケアのポイントとアロマクラフトのレシピを紹介

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アルツハイマー病や脳血管性認知症などを総称して「認知症」と言い、社会問題にもなってきています。記憶に関係する脳の神経細胞が働かなくなったり、鈍くなったりする病です。臭覚は、記憶に関わる「海馬」という部位を活性化させるので、今、アロマテラピーでの認知症の予防改善が注目されているのです。

【朝のレシピ】

アロマテラピーが認知症患者の改善に役立つという研究結果が話題になっていますが、生活リズムを乱さないよう、朝は「交感神経」を刺激し、記憶力や集中力を強化させる精油を使用します。

ローズマリー・カンファ4滴、レモン2滴をディフューザーやアロマポットなどでお部屋に拡散させ芳香浴します。ローズマリーだけでも効果的です。午前9時~11時くらいが良いでしょう。他にも、クスノキ4滴、モミ2滴の組み合わせもおススメです。

【夜のレシピ】

不眠やうつ状態を改善させるために「副交感神経」を優位に持っていくための精油を使用します。副作用もなく、西洋医学とも併用できますが、担当医の先生とも相談しながら行うことをおすすめします。

ラベンダー4滴、オレンジ・スイート2滴で芳香浴します。他には、パルマローザ4滴、ベルガモット2滴の組み合わせ。クロモジ3滴、ユズ3滴の組み合わせもおススメです。19時半から21時半くらいが良いとされています。できるだけ、朝も夜も継続させましょう。

【脳を刺激し、安心感をもたらすトリートメント】

緊張や我慢は手を固くし、気持ちも固まってしまいます。手のマッサージで気持ちをほぐしてあげましょう。また、手指の刺激は脳の刺激にもなります。言葉で伝わらなくても、スキンシップで伝わります。

植物油(マカダミアナッツ油またはローズヒップ油がおすすめ)10mlにユズ2滴を入れてよく混ぜトリートメントオイルを作ります。他には、サンショウ2滴またはモミ2滴でも。あまり圧を掛けずにさするだけで良いです。最初は手の甲だけ、指だけなどからはじめましょう。

【介護する人のための手浴とバスソルト】

介護を受ける人の状態もそれぞれ違いますが、受け止め方もまた違い、介護する側の悩みは尽きません。しかし、一人で抱え込まず、上手に自分の時間を確保して心身ともに休めて自分のケアも忘れないでください。

洗面器などに40度くらいのお湯を手首までつかるくらい入れます。フランキンセンス2滴、マージョラム・スイート1滴を入れ手浴します。短時間でもできる手浴は、気分転換にとても効果的です。1~2分でもいいので、リラックスして自分を休めてあげて下さい。

介護する側も心身の健康がとても大切です。どうしても、自分を追い込んでしまいがちです。

厚手のビニール袋か保存容器に天然塩大さじ2~3に、フランキンセンス3滴、ネロリ2滴を加えてよく混ぜなじませてから、使用します。他には、ローマンカモミール2滴、ゼラニウム2滴の組み合わせもおすすめです。

その時に心地よいと思った精油を選んでください。



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日本国内でとれた植物から抽出される和精油は、おだやかさの中にも、どっしりとした安定感をもたらすのが特徴です。代表的な和精油を14種ご紹介します。

【青森ヒバ】

ヒノキに似た、深みと安定感のある香り。抗菌作用が高く、床の拭き掃除、キッチンや浴室の掃除に役立ちます。食器洗いの時、桶に3滴程度おとしてシンク回りやまな板の拭き掃除などに効果的です。またアリや蚊などの防虫にも役立ちます。

【クスノキ(樟)】

やわらかい、さわやかさを持つ木の香り。防虫で知られている「樟脳」は、このクスノキから得られる結晶のことで、合成防虫剤と勘違いして臭いというイメージを持っていると思いますが、じつは天然の樟脳はとてもさわやかな香りがします。とても貴重なので、このクスノキの精油で代用してみましょう。ウッドチップなどにクスノキを含ませ袋に入れたものを、衣装ケースやクローゼットに。

【クロモジ(黒文字)】

樹木特有の安定感のある、落ち着いた甘さの香り。打ち合わせや会議の時に室内に香らせることで、話がまとまりやすくなります。なかなか眠れない時は、枕元に1~2滴。気持ちを落ち着かせたいときはティッシュペーパーに1滴つけて吸入、または手浴で2~3滴。

【ゲットウ(月桃)】

さわやかな清涼感の中に甘さのある、ユーカリに似た香り。ストレスなどで、心身ともに冷え切ってしまっているときに1~2滴で少し長めの足浴を。鼻づまり、気分転換などにはティッシュに1~2滴つけて吸入。

【サンショウ(山椒)】

シャープな清涼感と安定感のある香辛料の香り。強い香りの精油なので、バランスに注意してブレンドする時は、少量で。柑橘系や薬草系と好相性。代謝促進や昆虫忌避などの作用を持っている。

【スギ(杉)】

軽やかでエネルギーのある森林の香り。室内の有害物質を除去する作用がある。アンモニアなど悪臭の原因を除去するので、とても役に立つ精油。

【トドマツ(椴松)】

柑橘系の香りを含むさわやかな森林の香り。免疫力強化や血圧降下、抗菌などの作用があり、ハッカのクロモジ、ゲットウなどと好相性。

【ハッカ(和薄荷)】

甘くおだやかな、清涼感のある香り。気持ちを引き締め、集中したい時に芳香浴で。

【ヒノキ(檜)】

新築の家のような、甘みのあるさわやかな木の香り。疲労回復のためのトリートメントなどに特に有効で、保留剤としても役立つため、和のフレグランスとしてアロマ石鹸のクラフトなどにも良いでしょう。

【ホウショウ】

さわやかで、やわらかい甘さの香り。クスノキの変種でクスノキに比べてやや小型。鎮静、抗菌、抗炎症、中枢神経抑制の作用があるとされている。睡眠の質の改善やストレスからくる肩こりにはトリートメントで利用。お肌のケアにも化粧水として利用できます。

【ユズ(柚子)】

安心感と温かさを含んだ甘さと複雑さのある柑橘の香り。落ち着いて物事に取り組みたい時に1~2滴で手浴。手足の冷えなどには、トリートメントとして。花系や樹木系の精油と好相性。

【コウヤマキ(高野槙)】

草むらにいるような、さわやかな濃い緑の香り。鎮静、静脈強壮、鎮咳、抗菌作用があり、主にトリートメントなどで利用。

【イオイブシ】

神聖な透明感がある、甘くさわやかな香り。抗菌、去痰、鎮静作用があり、芳香浴、ボディトリートメントなどで利用。

【モミ】

柑橘を含む、清涼感のある森林の香り。免疫強化、抗菌、血行促進、悪臭除去などの作用があり、芳香浴、入浴剤として利用されている。




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アロマを始めたばかりの方にも使用しやすい精油をご紹介します。精油の香りの特徴や使い方のヒントなどまとめてみました。お気に入りの精油を見つけてみて下さい。

【レモン】

シャープで透明感のあるさわやかなレモンそのままの香り。トイレットペーパーに5~6滴つれておくと清潔感を演出できます。運転中の眠気さましにビンから直接吸入。抗菌、抗ウイルス作用があるので感染症が流行する時期などは、ディフューザーやスプレーに入れてお部屋に拡散させます。

【ローズ・オットー】

優雅で気品あふれるフローラルな香り。気持ちにゆとりがなくなってしまった時にハンカチに1滴おとして持ち歩きます。入浴時、浴槽に1~2滴おとして十分に香りを吸入しながら、ゆっくりと浸かることで、不安定な心も落ち着きを取り戻すでしょう。

【ローズマリー】

ローズマリーは、「ケモタイプ」といって同じローズマリーでも、産地によって成分が違っています。「ローズマリー・シネオール」は、すっきりと透明感のある香りで、呼吸器のケアに向いています。「ローズマリー・カンファー」は、シャープな力強い香りで筋肉痛や関節痛のケアに向いています。「ローズマリー・ベルべノン」は、やわらかですっきりした香りで、肌の再生を促す作用があるため、スキンケアなどに向いています。

【カモミール・ローマン】

りんごを思わせる甘さと酸味のあるフルーティーな香り。カモミールには2種類あり、カモミール・ローマンとカモミール・ジャーマンです。心に作用するのはローマンの方で、ハーブティーなどでよく知られているのは、ジャーマンの方です。眠れない時などは、ディフューザーで2~3滴拡散させると効果的です。


【イランイラン】

ジャスミンを思わせる甘くフローラルな香りの中に、香辛料の香りが見え隠れするエキゾチックな香り。好みには個人差がありますが、この香りを心地よいと感じる場合、緊張しやすい場合や心の問題からくる体の症状のケアになります。ティッシュやコットンに1滴落として芳香浴を。

【クラリセージ】

スパイシーで深い甘みのある、落ち着いた香り。月経前やホルモンのバランスが乱れがちだと感じた時、調整し神経を強化し安定させてくれます。気が張って眠れない時は、ティッシュに1滴おとして、枕元から50cm以上離れたところにおいておく。あまり近づけると香りが強すぎて眠れなくなる場合があります。

【ネロリ】

苦さと甘さをもち、わずかにオレンジが香る繊細な香り。心のバランスを保ちたい時に、コロンにして、シュッとひと吹き。ネロリの芳香蒸留水は化粧水かわりにもできます。女性にはとくにうれしい精油です。

【オレンジ・スイート】

憂うつな気持ちを前向きにしてくれる、心地よい柑橘系の果実そのままの香り。気持ちを前向きにしたいときなどに、ティッシュやコットンにつけて芳香浴を。また、重曹やクエン酸に混ぜてハウスクリーナーとしても効果的です。ブレンドする場合は、香りが弱いので、強い香りとブレンドする場合は、少し多めにすると良いでしょう。





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