不調が体内のどこで起きているか知るために「五臓六腑弁証」というものがあります。これは、古代中国の人々が自然界を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分類した「五行学説」に基づいたもので、これら5つの要素はそれぞれが関係を保ちながら、バランスを取り合って存在しているという考えです。
たとえば、木が燃えて火を生み、火は燃え尽きて土になり、土から金属が採れ、金属の表面に水が凝集し、水は木を養うという関係とバランスです。中医学では、これら5つの要素を「木」は「肝」、「火」は「心」、「土」は「脾」、「金」は「肺」、「水」は「腎」と分類し、この5つの臓をまとめて、「五臓」といいます。このバランスが崩れると、不調が生じると考えられています。
【五臓別の体質タイプチェック】でどこから不調がきているのかがわかります。また、複数のタイプにあてはまる場合も少なくありません。以下の項目にあてはまるものにチェックを入れて、自分がどのタイプなのかを見てみましょう。
「顔色」・・・白い(D)。黒ずんでいる(E)。青いまたは青黒い(A)。黄色い(C)。顔全体が赤くほてっている(B)。
「皮膚や毛髪の状態」・・・爪が薄く欠けやすい(A)。背中にうぶ毛が多い(D)。皮膚が弱い(D)。脱毛・白髪が年齢不相応に多い(E)。
「月経トラブル」・・・月経前症候群がある(A)。月経がだらだら続きあざが出やすい(C)。
「その他」・・・体がやせている、または水太り(C)。怒りっぽく、よく泣く(A)。物忘れしやすい(B)。寝つきが悪いことが多い(B)。食後に眠くなる(C)。精力の減退を感じる(E)。目が疲れやすい、視力が低下した(A)。動悸や息切れ、胸痛がある(B)。鼻水や咳、痰が出やすい(D)。少しの運動で汗をかく(B)。よく胃痛や腹痛をおこし、胃がもたれる(C)。
風邪をひきやすく、のどがはれやすい(D)。足腰がだるく手足が冷える(E)。アレルギー性鼻炎、ぜんそく、アトピー性皮膚炎がある(D)。筋肉がこわばり、脚がつりやすい(A)。食欲不振、または過食気味(C)。骨や歯が弱く聴力低下や耳鳴りがある(E)。トイレが近いなど、排尿障害がある(E)。下の先が赤い(B)。
(A)が多かった人は・・・肝タイプで、自律神経系に関わります。
(B)が多かった人は・・・心タイプで、血液循環し精神活動をつかさどっています。
(C)が多かった人は・・・脾タイプで、胃腸などの消化器系に深くかかわっています。
(D)が多かった人は・・・肺タイプ、呼吸器系、皮膚や汗腺、毛穴などとも深く係があります。
(E)が多かった人は・・・腎タイプで、老廃物の代謝や体温調節にかかわっています。
五臓タイプごとに、対応する精油があります。これは「五味」といって、生薬にも通じるものですが、同じ味を持つ生薬は似た作用があると言われるように、精油にも味によって分類されています。不調のもととなる五臓に対応する精油を使ってケアしていきましょう。
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